【教育】絶対に知っておきたい絵本の読み聞かせのいろは

子どものために、絵本の読み聞かせをするといいよ!よく聞くけど、なぜいいのか、よく分からない。そんな疑問を今回解決するヒントをお届けします!

読み聞かせのメリットとは?

読み聞かせは子供にとっても大人にとってもメリットが盛りだくさん。一緒に親子で楽しむことで、親子間の親密感も高まり信頼関係も強くなります。今回は中でもVUCA時代だからこそ得ておきたい、とっておきのメリットをご紹介します。

読み聞かせのメリット①【語彙力を養う】

語彙力は、どれだけ多くの言葉を知っているか、そしてその言葉をどれだけ適切に使えるかという能力です。脳は情報が多角的に重なることで、より強く記憶する仕組みを持っているので、一度に絵・文字・声の3つの情報が入ってくる絵本の読み聞かせは最適な手段といえます。また、絵の力は恐るべきもので、1000回単語の説明を聞くことと同じくらい言葉の理解を促す効果があります。大人も同じですよね。知らないものを一生懸命説明されるより、写真や絵を見た方が理解が深まります。

これからの時代、考えていることを伝える豊かな語彙力は不透明な社会で生きていかなければならないからこそ必要性が高まっていると思います。理解を深め、そこから何が伝わってくるのかを考える力も決して機械では得られない力でもあります。

読み聞かせのメリット②【子どもの潜在意識を育てる】

潜在意識とは、心の中の考えです。例えば、プールに飛び込む時、「よし!飛び込もう」と思うのが意志。「怖いし、やっぱり無理」といくら打ち消しても浮かんでくるものが考えです。この潜在意識は、大人になったら簡単には変えられません。ですが、5~6歳までの子どもは、与えられた全てのものを「そのまま」受け取り、蓄積し、影響を受ける時期なのです。絵本の中には、「勇気」や「思いやり」、「愛情」、「お友達、弟・妹、ものを大切にする」等、たくさんメッセージが込められています。このメッセージを一つでも多く子どもに渡してあげたいですね。

 多様性が問われる時代。大人の我々ではなかなか考え方を変えられず悩むこともありますが、だからこそ子供達にはいろんな世界を伝えて受け入れられる状態を目指したいですね。

読み聞かせのメリット③【大人の潜在意識が変えられる】

寝かしつけの際に絵本を読み聞かせする家庭もありますよね。大人にとってもメリットなんですよ。読み聞かせメリット②にて、大人の潜在意識は変えられないと記載しましたが、眠気でウトウトしている時は瞑想している時と同じ脳波が出ており、潜在意識を書き換えることができるのです。最近、仕事で失敗して自信がないな、グループのメンバで折り合いの悪い人がいる等々、心にある嫌な考えを打ち消してくれる絵本を選び、親子で楽しみましょう!

読み聞かせのコツを伝授

読み聞かせのコツ①
どんな絵本を選ぶとよいのか?

まずは本を読む長さを選ぶ際に意識してみましょう。幼児はもともと10分程度しか集中できません。なので、3~5歳児には5分程度で読み終わるものを目安に絵本を選ぶといいでしょう。3歳児以下は5分より短いものということになります。また、小学校1~4年生頃までは、10分程度までの絵本を選ぶのが妥当です。また、6歳までの絵本の内容は、次にご紹介のどのような読み方をするといいかという点も非常に重要ですので、あわせて考えていくといいでしょう。子供に渡したいと思う「メッセージ」を大人の人が考え、選択することもとても重要です。成長したらどうなってほしいのか、どういうことを考えてほしいのか、そういう観点で選んだ絵本はどれも素敵なものだと思います。

読み聞かせのコツ②
どんな読み方をするとよいのか?

抑揚の付け方で「感受性」と「創造力」が大きく効果として変わってくることをご存じでしょうか。

 例をご紹介します。新米保育士Sさんと85歳のAさんに『大きなかぶ』(みんなで大きなかぶを抜くお話ですね)を読んでもらったところ、子ども達の反応は全く異なるものになりました。

※保育士Sさんは、「皆で力を合わせることの大切さ」を、85歳のAさんは戦時中に荷車を一生懸命 押したことを思い出して読み聞かせしたそうです。

抑揚ありの感想は、ずばり!読み手の感情を子どもはちゃんと受け取っていたのでした。それに比べて、抑揚なしの感想は、絵本の絵に対してや物語の内容に対しての想像したことや思ったことでした。抑揚がありでもなしでもどちらも必要な経験であることではありますが、読み方によって子供が捉える内容が変わってくることに留意しながら抑揚をつけたり棒読みをしたりと使い分けていくことで、1冊の絵本からたくさんのことが伝えられるということになります。

どういう読み方が【感受性】を得られる読み方なのか?

読み手のわいてくる自然な感情を入れて読み聞かせするとよいでしょう。子どもには、読み手の「自然な感情」が伝わります。その人の想いや生き様が、読み聞かせに如実に反映されるのです。

  なお、4~5歳以下の子どもに対して読み聞かせする絵本の中に怖い場面がある場合、感情を込め  て読み聞かせしてしまうと「恐怖感」を植え付けてしまい、絵本のストーリー自体が「怖いお   話」となってしまう可能性があります。怖い場面については、棒読みで淡々と読んであげるとよいでしょう

どういう読み方が【想像力】を得られる読み方なのか?

できるだけ抑揚を付けないように読むとよいでしょう。子どもの想像力は大人が思っているよりも富んでいます。絵や物語の全てを吸収し、想像力を働かせることができます。

読み聞かせのコツ③
どういう姿勢で臨めばいいのか?

読み聞かせの際の読み方によって、子どもは大人の意図や考えを敏感に感じ取ることがわかったと思います。子どもは大人の気持ちを敏感に感じ取るプロです。読み手である大人が、例えば学力向上のためだけに絵本の読み聞かせを行うと、大人の「読み聞かせやらなきゃ!」という義務感や焦りを感じ、その結果、子どもが絵本の読み聞かせを嫌いになってしまうことがあるのです。

 つまり、あなた自身がなぜ読み聞かせをしたいと思うのか、何を伝えたいと思うのか、を考えたうえで目的をもって絵本選びから読み方までを意識していくことで、子どもは絵本からいろんなことを勝手に吸収してくれます。教育意識も非常にわかりますが、まずは教育目的であることを捨て、純粋に知る「喜び」を子どもと一緒に分かち合うことを目指して読み聞かせをしてみましょう。

いかがでしたでしょうか?読み聞かせのメリットやコツを論理的に知ると、子どもにとって何がよいのかが分かり、絵本の読み聞かせを実践しやすくなりました!我が家でも早速、仕事で凹みがちなお父ちゃんに、寝かしつけの絵本を読んでもらうようにしま~す!

参考

(社)JAPAN絵本よみきかせ協会

 景山聖子『絵本よみきかせコーチング』 | 子どもの教育を考える「こどもまなび☆ラボ」 (kodomo-manabi-labo.net)